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長谷川農園生産者紹介①


2月7日、小田原梅さんぽがはじまる直前の曽我別所梅林は十郎の花が3分から5分咲き。園内はマスクを着用した人々がゆっくりと梅を見ながら散歩を楽しんでいました。

 

一番にぎやかな別所会場にほど近い梅林にさしかかると、ちょうど長谷川農園の根尾岳彦さんが梅の枝の剪定をしていて、通りかかった人々から剪定した枝をもらって良いか訪ねられていました。

 

長谷川農園はジョイファーム小田原の先代社長である長谷川功さんが経営している農園です。曽我地区を中心に梅・みかん・キウイ・玉ねぎ・菜花・ブルーベリーなど果樹を中心とした農産物を育てています。

 

そんな長谷川農園で働く5名の社員の中でも全体を把握していて、農場長のような役割を担っている根尾さんは、農園で受け入れている農業研修生の指導も行なっています。

根尾 岳彦(ねお たけひこ)


小さい頃から虫や自然が好きで、学生の頃は授業中に寝てるような奴だったけど、生物だけは得意で成績が良くて、農業は全然経験がなかったけれど、自然を相手にできることが農業の道へ進むきっかけになったのかな。

 

生まれは埼玉県の戸田市ってところで、子どもの時に7年くらいアラブ首長国連邦で過ごした時期もあるよ。アラビア語はさほど喋れないね(笑)でも喋ってる内容を聞けばなんとなくわかるよ。

 

大学は農学部に入って、キウイの卒論を書いたんだ。そのときは別に、長谷川農園がキウイを栽培しているからとかは全然関係なくて、たまたま興味があってテーマにしたから、今考えるとちょっと運命的なものがあったかな。

 

もとから独立して農業をすることは考えていなかったから、農業法人とか企業に就農することを考えていて、就職先を探していた時に第一次産業ネットに長谷川農園の求人があって、卒業と同時に入ったから、自分は世間知らずだと思うな。

 

23歳で入社したから就農して11年経過するところだけど、入社したときは社長がまだ元気な時で、長谷川式の農業は社員を煽って1人に1.21.5倍の仕事をさせて何事も馬力で解決をするから、想像していたよりも古い、昔ながらの農業だなって思ったし、農業ってやっぱりマンパワーなんだなと衝撃を受けた。

 

でも今なら、それくらいしないと農園としてやっていけないんだって分かるよ。

 

長谷川農園では社員ごとに栽培担当者が異なって、俺はキウイと梅の担当なんだけど、この時期は梅の剪定が追いつかない!1本の木の剪定だけで2~3時間かかるから本当は2月にはキウイの剪定に着手したいんだけど、まだまだ剪定していない梅の畑はあるから全然余裕はないかな。

 

農家ってなんか独特だよね。仕事なんだけど多分みんな農業が好きだからやってるところがあるから農業そのものも『趣味』になっちゃう気がする。

 

同じ農園で働く社員とは仲がいいけど、別に趣味を共有するとか、一緒に飯食べにいくとか、そういうことも特にないかな~。それぞれの時間で生きてるって感じなんだけど、それもまた居心地がいいと思うな。

 

趣味といえば、『筋トレ』はしてるよ。腕立て伏せは毎日してる。

 

体が丈夫でよかったな~と思うのはまだ農園に入って間もない頃、山の傾斜地にトラックを止めて農業機械を降ろそうと思ってたら、傾斜ってことが頭に入ってなくて、思いっきり機械が落ちて身体にぶつかったことがあって。すさまじい痛みに絶対骨が折れたなと思ったし、『どうしよう、俺1人しかいない!』と怖くなったんだよね。

 

帰ってから病院に行ったらお医者さんに『骨折してません、丈夫な身体でよかったですね』って言われてなんともなかった(笑)

 

今だから笑い話だけど、農業って機械を使えば効率はいいけど、余計に危険と隣り合わせだから注意しなきゃいけないよね。草刈り機で怪我をした話とか相変わらず毎年聞くし、今の時期は枝の粉砕機がすごく怖い。俺も何度か枝を粉砕機に入れる時に軍手がひっかかって機械にひっぱられたこともあるから、どこかで粉砕機の動く音が聞こえるといつも、誰が使っているかわからないけど怪我しなければいいなって思ってるよ。

最近小田原の生産者の高齢化がすすんでるよね。実際に梅に関わってみると収穫ひとつでもこれを高齢の人がやるって考えても大変だと思うし、今高齢の生産者って農業で成功した人だと思うから、その生産量レベルの人たちが揃って出さなくなったら、日本の農産物は深刻な供給不足になるだろうって思うよ。

 

跡継ぎも増えていけばいいけど、そもそも跡継ぎがいるのか?って思うし、それを考えたら今どんどん増えている企業の農業参入っていいと思う。

将来的な目標は売り上げを1億にすること。

長谷川農園がジョイファーム小田原のモデル農家になれるようにがんばっていきますので応援よろしくお願いします