7月下旬から9月上旬の時期の温州みかん、濃い緑色が鮮やかな未熟なみかんをジョイファームでは「緑みかん」と書いて、「あおみかん」と呼んでいます。
もともと温州みかんの栽培では、収穫の実を大きくするために「摘果」という作業をおこないます。この摘果は夏に行われ、小さな未熟なみかんは摘んだ後に廃棄されていました。でもこの緑みかんを農家さんはこっそり!楽しんでいたのです。
昼は果汁を絞って暑さをしのぐ飲み物にし、そして夜は疲れをとり、リラックスするために焼酎にひと絞りして緑みかんサワーというふうに。。。もちろんみかん農家さんは、この緑みかんの詳しい成分などは知りません。でもこの緑みかんに、暑い夏を乗り切るための秘訣があったのかもしれません。そうです!実は緑みかんには体を元気にしてくれる成分が一杯なのです。
未熟な柑橘は古くから生薬としても利用され、漢方では緑みかんを「枳実」(きじつ)と呼び、かゆみ止めとして使われていたようです。日本では最近になって、その効能に関心が集まりいろいろな研究が始まりました。
まず注目したいのが“クエン酸”。緑みかんに豊富に含まれており、これがあの爽快感のある酸味を作り出す成分です。夏バテでどうも疲れが抜けないとか、肩こりや筋肉疲労があるときに効果を発揮する栄養素なのです。クエン酸は体のエネルギーを作りだす代謝に大きくかかわっており、体の疲れのもととなる「乳酸」を分解してくれます。
またクエン酸はミネラル吸収を高めてくれます。カルシウムやマグネシウムなどの金属ミネラルは、そのままでは水にとけません。ですから体内へ入っても、腸などの消化管からの吸収が難しいのです。でもクエン酸とくっつくことにより水溶性になり、吸収力が高まります。そこで夏の暑い時期にぜひ実践してほしいのは、「汗を沢山かいたな」とか「くらくらしてきたな~」と思ったときは、塩(ミネラル)と一緒にクエン酸水(例:そのまんま緑みかん∔水)を飲むことです。クエン酸水がミネラルの吸収を早めてくれますので、熱中症予防に最適です。
そして今、注目を集めている成分が「ヘスペリジン」。温州みかんでも未熟な時期の緑みかんに多く含まれており、毛細血管の強化や血流改善効果がみとめられている成分です。特にみかんの皮や袋、白いすじの部分に多く含まれ、抗アレルギー作用やビタミンCの消耗を抑制する働きもあります。血管を拡張して血流を良くしてくれますので、体を温めてくれる作用も期待できます。ただ食物から体に吸収される量はごくわずかですので、継続的に取ることが大切です。
生果としての緑みかんのシーズンは9月上旬で終わってしまいますが、この緑みかんの健康パワーを継続的に摂取するに便利なのが、緑みかんシロップとそのまんま緑みかん(無糖)です。7月・8月と続いた暑さによる疲れは蓄積され、暑さが和らいでホットしたころに大きな体調不良としてやってきます。今の時期、疲れの桶は満杯です。あふれてしまわない前にぜひセルフケアーを心掛けたいものですね。